今さんのキャリアの中で、決して忘れる事のできないバンドであるパラシュート
スタジオ・ミュージシャンの集合体であるこのバンドは、当時日本の「TOTO」とも呼ばれ、「SHOGUN」と
共に日本の音楽界の最先端を行く存在でした。
今さんと松原正樹さんの強力なツイン・ギターは、絶妙なコンビネーションで 柔と剛を織り交ぜた、
これ以上ない様な名演を聴かせてくれます。
パラシュートが自然消滅後、なかなか二人の競演を見る事ができませんが、井上鑑さんのAcoustic Meetingや
井上陽水さんのLIVE他、最近では今井美樹さんや 松原正樹さんのLIVE、ボブ・ジローセッションで実現し、
息の合った演奏を聴く事ができました。
できればパラシュートの復活を望みますが(林立夫さん、お願いします!)、無理ならば2人でアルバムを創るか、
バンドとして定期的な LIVE活動をしてくれると嬉しいですけどね。無理かな?

(注意:便宜上、ペダルスティールやボトルネック使用はスライドギターで統一しています)

PARACHUTE
from ASIAN PORT
PARACHUTE 1980年 4月 21日発表
LP:C25A0088
CD:D25Y0177
TAPE:28P-6006
CANYON Records (AGHARTA)
A1 MYSTERY OF ASIAN PORT
A2 FLY WITH ME
A3 KOWLOON DAILY
A4 ESSENCE OF ROMANCE

B1 VISITOR FROM PLUTO
B2 SPEND A LITTLE TIME
         (WITH ME)
B3 MIURA WIND
B4 JASMINE
MEMBER:
Tsuyoshi Kon (G,Vocoder)
Masaki Matsubara (G,Syn)
Mike Dunn (B,Vo)
Yoshihiko Ando (Key,Syn,Vo,Mar) Tatsuo Hayashi (Ds,Per)
Nobu Saito (Per,SynDs)
Izumi Kobayashi (Key,Syn,Vo)
記念すべき、PARACHUTEのデビューアルバム。
三浦海岸の別荘に週3回集まってリハーサルしたというこのアルバムは、オリエンタルな雰囲気が溢れています。
特に、A1、A3、B4は、このアルバムのイメージを決定付ける曲となっています。また、アルバム全体に
VOCODER がフューチャ−されており、発表当時のサウンドの匂いを感じさせます。
今さんのギタープレイはスライドギターが素晴しく、特にB4の「JASMINE」のエンディングのソロは泣けます。
歌のバックで流れる、愛撫するかのようなクリーンサウンドのスライドギターから深くて甘いディスト−ション
のかかった泣きのスライドギターソロへ移っていくのですが、当時スライドギターに泥臭いイメージしか持って
いなかった私にとって、本当に衝撃的なソロで、何度も何度もレコードが擦り切れる程繰り返し聴いていました。
A1も間奏にスライドギターをプレイしており、非常に今さんらしいフレーズを弾いています。
B3はアコースティックギターによるとても爽やかな曲で、何年か前に確か長野の方のFM局でジングルとして
使用していました。
ジャケットは遊び心のあるつくりで、上の画像はCDのジャケットですが、レコードはPARACHUTEの文字の
部分が切り抜いてあり、中の歌詞カード兼レコード入れを動かす事により赤字から青字、そして黄字に変化
させることが出来ました。

6Kinds 6Sizes PARACHUTE 1980年 12月 5日発表
LP:C28A0137
CD:D25Y0178,PCCA-00593(※)
TAPE:31P-6002
CANYON Records (AGHARTA)
PONY CANYON CD選書(※)

A1 HERCULES
A2 OPEN YOUR FREEWAYS
A3 SECRETS OF PARADISE
A4 COMMUNICATION
A5 AUTUMN NIGHTS

B1 BANANA MOON
B2 BABY ELEPHANT WALK
B3 TABOO '80
B4 OUR CHILDHOOD DAYS
B5 JOYFUL BELLS

MEMBER:
Tsuyoshi Kon (G,Vo,Vocoder)
Masaki Matsubara (G,B.Vo)
Mike Dunn (B,Vo)
Yoshihiko Ando (Key,Syn,Vo)
Tatsuo Hayashi (Ds,Per)
Nobu Saito (Per,SynDs,Vo)
GEST MUSICIAN:
AKIRA INOUE,MAKI TASHIRO,
HIDEKI MATSUTAKE,
BREAD&BUTTER,CHAMPION G,
JAKE. H. CONCEPCION 他
小林泉美さんが抜けて6人となった2ndアルバム。
アルバムタイトルは、6人6様といった感じの意味ですが、1人1人の個性を活かしつつ、非常にまとまりの
あるバンドサウンドとなっています。
また、この後正式なメンバーとして参加する井上鑑さんが、A4のウーリッツァーのソロと、B3のアコーディオン
をプレイし、もう一つの個性を加えています。
今さんのギタープレイの聴き所は、A1、A5、B2、B3あたりで、特に今さんの曲であるB3の「TABOO'80」
秀逸で、音も太く粘りのあるソロを聴かせてくれます。
他に「AUTUMN NIGHTS」の泣きのギターソロ、「BABY ELEPHANT WALK」のスライドギター、
「HERCULES」の中間のソロと聴き所は多いですが、やはり松原正樹さん にも言えますが、カッティング等の
バッキングがPARACHUTEの最大の聴き所だと思います。 さすがにスタジオワークで鍛えた2人ですから、
見事としか言い様がありません。「HERCULES」のエンディング近くのカッティング等は、このアルバム最大の
ハイライトと言えるのではないでしょうか?
また、B4の「OUR CHILDHOOD DAYS」は、今さんがヴォーカルをとっています。
ジャケットは、アルバムタイトルを全面にカラフルに出し、裏面にパラシュート部隊の扮装をしたメンバーが
一点(メンバーのクレジット部分)を指差している写真を配しています。
非常にシンプルにまとめられていて、6人の個性を強調する事に成功していると思います。

HAERE MAI
PARACHUTE 1981年 6月 29日発表
LP:C28A0167
CD:D25Y0179
TAPE:31P-6006
CANYON Records (AGHARTA)
A1 アレサ コレサ
A2 LADY RACCOON
A3 NE-ON
A4 SWITCH-BLADE HERO
A5 THE DEALER

B1 COCKTAIL NIGHT
B2 そよ風に乗せて
B3 IF YOU'RE LOOKING
         FOR LOVE
B4 GIGOLO
B5 JETH NO TARE
B6 AMIGO
MEMBER:
Tsuyoshi Kon (G)
Masaki Matsubara (G,Fl)
Mike Dunn (B,Vo)
Yoshihiko Ando (Key,Syn,Vo)
Akira Inoue (Key,Syn,Vo)
Tatsuo Hayashi (Ds,Vo)
Nobu Saito (Per,Vo)

3作目となるこのアルバムより、井上鑑さんが正式メンバーとして参加しています。
アルバムタイトルがジャケットのイメージから「HAERE NAI(入れない)」と勘違いしそうですが、
マイク・ダンさんの母国であるニュージーランドの言葉で「ようこそ、いらっしゃいました」と言う
意味だそうです。まったく反対の意味ですね。
夏っぽさをテーマにしたこのアルバムは、当初ダブルアルバムを想定して作ったとの事で、かなり曲を
削っています(実際、収録された曲すらも短くなってますよね)。CD時代に入った現在であれば削る事も
なかったのではないかと思いますが、きっとキャニオンレコードさんにアルバムから漏れた曲のマスター
テープがあるはずなので、思い切ってNEW ALBUMとしてリリースしてくれないものでしょうか?
アルバムの内容のほうは、まさにPARACHUTEの真骨頂といえる、カラフルでさわやかなサウンドで、
このアルバムこそ「音楽はスポーツだ」と言えると思います。
今さんのギタープレイは、自己の作曲である「NE-ON」をはじめどの曲を聴いても最高です。
特に「アレサ コレサ」「GIGOLO」のバッキングがお薦めです。
このアルバムは、2ndアルバムとともに擦り切れてしまい、3枚も買ってしまったくらい好きでした。


Sylvia
PARACHUTE 1982年 5月 21日発表
LP:C25Y0021
CD:D35Y0002
TAPE:28P-6153
CANYON Records (AGHARTA)
A1 DON'T GIVE IT UP
A2 SYLVIA
A3 KEEPING IT UP
A4 WHERE DID WE GO WRONG

B1 BABY YOU'RE JUST
          LIKE ME
B2 LIVEWIRE
B3 SOMETHING DOWN
       THE HIGHWAY
B4 DO WHAT YOU WANT TO
B5 GOOD FOR NOTHING
MEMBER:
Tsuyoshi Kon (G)
Masaki Matsubara (G)
Mike Dunn (B,Vo)
Yoshihiko Ando (Key,Syn)
Akira Inoue (Key,Syn)
Tatsuo Hayashi (Ds)
Nobu Saito (Per)
GEST MUSICIAN:
PHIL BROWN (B)
JESSE BARISH & TERRY
         SHADDICK
JULIA WATERS etc. (B.Vo)
L.A.で録音しPARACHUTEが海外進出をはたした記念すべき一枚。
オリジナルアルバムとしても、最後の一枚(にして欲しくないです)となりました。
バンドとしてのトータル感を出すため、前3作とは違いマイク・ダンさんのヴォーカル曲のみとなっています。
その曲も、4曲のみ松原正樹さんとマイク・ダンさんの作曲となっており、それ以外の5曲は、約600曲程の
アメリカ中から集めた曲の中から選ばれたものです。
また、メンバー以外にも現地のアーチストが多数サポートしてくれていて、特に「Sylvia」等を作詞した
JESSE BARISHさんは、このレコーディングが縁で松原正樹さんのアルバム「SNIPER」にも曲提供&
メインヴォーカルで参加しました。
レコーディングのエピソードとしては、今さんはこのレコーディング中体調を崩し、1曲まったく参加して
いない曲があるようです。
今さんのギタープレイは、B1の「BABY YOU'RE JUST LIKE ME」のジェイ・グレイドンばりのドライブの
きいたソロや、B5の「GOOD FOR NOTHING」のスライドギターがお薦めです。
もちろんバッキング全体も聴き所であることは言うまでもありません。
アルバム全体としては、非常にまとまった好アルバムであることは間違いありませんが、1曲1曲が
コンパクトに出来ており、全体で見ても時間が短く物足りなく感じてしまいます。
A面にもう1曲くらい長めの曲があると良かったかもしれませんね。
ジャケットは、黄金に輝く女性が艶かしい感じを演出しています。

COLOURS
PARACHUTE 1982年 8月 21日発売
LP:C25A0088
CD:D25Y0177
TAPE:28P-6006
CANYON Records (AGHARTA)
A1 VISITOR FROM PLUTO
A2 アレサ コレサ
A3 NE-ON
A4 そよ風に乗せて
A5 HERCULES
B1 AGATHA
B2 MONSTER MASH

B3 MIURA WIND
B4 ESSENCE OF ROMANCE
B5 ZIG-ZAG
MEMBER:
Tsuyoshi Kon (G)
Masaki Matsubara (G)
Mike Dunn (B)
Yoshihiko Ando (Key,Syn)
Akira Inoue (Key,Syn)
Tatsuo Hayashi (Ds,Per)
Nobu Saito (Per)
Izumi Kobayashi (Key,Syn)

etc.
初のベストアルバムですが、事実上PARACHUTE最後のアルバムです。
内容は、PARACHUTE「Sylvia」を除く3枚のオリジナルアルバム及び、同じAGHARTAレーベルよりの
発売である今さん「STUDIO CAT」 (上 赤字)からインスト曲のみを選曲しています。
この頃よく、インスト曲のみや歌もののみを選曲したカセットテープを作っていた私にとって、痒いところに
手が届くアルバムでしたが、大好きな「TABOO '80」が入っていないのが残念 でした(結局追加して録音
してましたが)。
また、おまけとして「AGATHA」「HERCULES」のライブ・スコアが入っており、楽器を演奏している
PARACHUTEファンはこぞってコピーしたことでしょう。
ジャケットは、ファーストアルバム同様遊び心に溢れており、表の三角の部分と裏の丸い部分が切り抜いて
あり、中に刺さっているジャケットが4色に分かれているので、中ジャケットの入れる方向を変える事により、
いろいろな配色を楽しむ事ができました。これこそまさにPARACHUTEのコンセプトそのものでしょう。

もっと詳しくPARACHUTEを知りたい方は...
へGO!!
PARACHUTE Web Site.

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